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カイツブリが再び孵化しました
 └─井の頭 2009/09/11

 井の頭自然文化園水生物館では、今年(2009年)6月に続いて、9月7~8日にカイツブリのひなが2羽孵化しました。巣内にはまだ卵が1つ残っていて、9月10日に孵化する予定です。

 お知らせしたとおり、このところ、カイツブリの繁殖を「擬卵」(ぎらん:本物に似せて作った人工卵)を使ってコントロールする実験を進めていました。まずはその結果をお伝えします。

 2009年8月21日の時点で、巣内には4つの擬卵と4つの本物の卵がありました。8月26日、本物の卵が1つ、巣から落ちていました。そこで、もう追加産卵はないだろうと考え、擬卵4つを取り上げて、本物の卵3つだけを巣に残した状態でようすを見ていました。

 今回の産卵は、オスが擬卵を抱いたままの状態から始まり、交尾姿勢も確認されていなかったので、卵は受精していないのではないかと想像していました。しかし予想ははずれ、孵化したわけです。

 6月に生まれたひなのときとは違い、親鳥の子育てのようすにも落ち着きが感じられ、こちらも安心して観察ができそうだと期待しています。

 さて、ひなが親鳥の背中から顔を出しているようすはなんとも微笑ましい光景ですが、長くはごらんになれません。ひなが親の背中に乗っているのは、だいたい孵化後10~15日までですので、ぜひお見逃しなく。

〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 荒井寛〕

◎これまでのニュース(2009年)

カイツブリのひなのようすと産卵調整 (07月17日)
カイツブリのひなの展示ひとまず終了 (07月24日)
カイツブリの卵、今回は孵化にいたらず(07月31日)
カイツブリをいつまでだませるのか  (08月07日)
カイツブリの擬卵実験は予想外の展開へ(08月21日)

(2009年09月11日)



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