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コビトカバ誕生!
 └─上野  2009/07/10

 上野動物園のコビトカバ、「ショウヘイ」(オス)と「エボニー」(メス)のあいだに7頭目の赤ちゃん(メス)が生まれました!

 2009年6月22日の夕方、ふだんえさをよく食べる時間帯なのに、エボニーのようすがいつもと違います。えさに見向きもせず、じっと伏せているのです。ふと気づくと、エボニーのお尻のあたりから羊膜が少し見えていました。

 エボニーはそれから何度もお腹に力を入れていましたが、なかなか赤ちゃんは生まれてくれません。けっして若くはないエボニーを見守っていると……呼吸が急に荒くなった途端、勢いよく赤ちゃんが生まれました! 18時56分でした。出産を終えたエボニーは、鼻先で赤ちゃんを自分の脇に寄せ、そっと寄りそって眠ってしまいました。

 その後の赤ちゃんの成長の早さは目をみはるばかりです。生まれた翌日、ちゃんとお母さんのお乳を飲んでいたのでホッとしていると……なんとその日のうちに、お母さんのまねをしたのか、草を口に入れて噛んでいるではありませんか!

 その2日後、赤ちゃんは大胆にもエボニーについてプールの中へ……。しかし、赤ちゃんのようすを見ていると、すでに夜のうちに何度も泳ぎの練習をしていたようです。このとき、エボニーの母としてのベテランぶりを垣間見ることができました。エボニーは、沈みそうになる赤ちゃんの体を鼻先で押し上げ、おぼれないようにしてやっているのです。こうした支えがあってこそ、赤ちゃんは泳ぎをおぼえていくのだなぁ、と感動した瞬間でした。

 その後も驚きと感動の日々は続き、赤ちゃんはエボニーのえさをつまみ食いするほどになりました。誕生直後は骨が浮き出して弱々しかった体も、今ではぷっくりとしていて、力強さも感じさせます。まだまだ成長中の赤ちゃんコビトカバ。上野動物園でぜひごらんください。

写真上・中 2009年6月25日撮影
写真下   2009年7月8日撮影

〔上野動物園西園飼育展示係 山本達也〕

・過去の動画ニュース「コビトカバの親子」(2006年04月)

(2009年07月10日)



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