ニュース
ひとりでお留守番、フクロモモンガの子ども
 └─上野  2009/05/30

 上野動物園西園にある小獣館の地下では、さまざまな夜行性の哺乳類を飼育・展示しています。今から約1か月前(2009年4月下旬)、ここでフクロモモンガの子どもが出袋(しゅったい)しました。おとなのフクロモモンガはやや茶色がかった色をしていますが、子どものうちは灰色っぽい色をしています。写真上をごらんください。真ん中に小さく写っている子どもがおわかりになりますか?

 フクロモモンガは、コアラやカンガルーと同じく有袋類(ゆうたいるい)と呼ばれる動物で、母親はおなかの袋(育児嚢)の中で子どもを育てます。フクロモモンガの赤ちゃんは、袋に入って2か月ほどすると目が開き、毛も生えそろって、外に出てきます。袋から初めて全身を出すことを「出袋」とよびます。

 カンガルーなどでは、子どもが袋から顔だけ出したり、袋から自由に出たり入ったりしますが、フクロモモンガは体が小さいためか、一度袋から出てしまうと、戻ることはほぼありません。

 しかし、出袋したばかりの子どもは、まだ自分ではえさをとったり、固形物を食べたりすることができません。そのため、母親がえさを食べに巣の外へ出かけていくときは、巣の中で留守番をすることになります。そして、母親が巣に戻ってきてから、袋の中の乳首に吸い付き、おっぱいをもらいます。

 出袋してから1か月、子どもはまだまだ小さいのですが、だいぶしっかりしてきました。巣の外の世界にデビューして、自分でえさを食べるのももうすぐです。

写真上:巣の中.拝見!
写真中:ひとりでお留守番……
写真下:お母さんが帰ってきた!

・東京ズーネットBBの動画
 「フクロモモンガ」(2004年11月撮影)

〔上野動物園西園飼育展示係 井上智右〕

(2009年05月30日)



ページトップへ