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マタコミツオビアルマジロが出産しました!
 └─上野  2009/05/08

 2009年4月22日、小獣館1階で展示しているマタコミツオビアルマジロが1頭を出産しました。この母親にとって8回目の出産です。

 交尾を確認したのは昨年12月28日でした。その後、体重測定を定期的におこなったところ、徐々に体重が増えていたため、妊娠の可能性が大きいと考えていました。そこで2009年4月中旬、いっしょにいたオスを予備スペースに移し、出産と子育てのための巣箱を入れておいたのです。

 現在、母親は巣箱の中で赤ちゃんをおなかの下に入れ、授乳しています。給餌の際、母親は巣箱から出てくるので、そのすきに赤ちゃんを取り出し、毎日体重測定をしています。生まれたときの体重は84.6グラムでしたが、1日にプラス約10グラムという驚くべきスピードで成長しています。

 出産後数日は母親もやや神経質になっていたのか、体重測定後に赤ちゃんをくわえて巣箱の中と外を行ったり来たりしたことが何度かありました。イヌやネコを含め、多くの動物は親が子どもの首筋をくわえて運びますが、このアルマジロの場合、母親は子どもの前脚の付け根をくわえて運びます。たしかに、あの丸くツルツルとした背中ではくわえるどころではありません。赤ちゃんが完全に丸くなってしまうと、母親は前脚でチョイチョイとつつき、子どもが体を開いてから、器用にくわえて運んでいきます。

 今のところ、赤ちゃんはまだ一日中巣箱に入ったままですが、1~2週間ほどしたら外に出始めます。そのころには、小獣館で赤ちゃんのすがたをごらんになれると思います。

写真上 :子の体重を測る
写真中上:子を手に乗せたところ
写真中下:巣箱内の母子
写真下 :子をくわえて運ぶ母親

〔上野動物園西園飼育展示係 廣田敦司〕

・東京ズーネットBB動画
 「マタコミツオビアルマジロ」(2003年6月撮影)

・東京ズーネットBB動画
 「マタコミツオビアルマジロ親子」(2007年7月撮影)

(2009年05月08日)



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