入学式にあわせるかのように、桜が満開になりました。井の頭自然文化園にも、花を楽しむ方が多く来園されました。
4月第2週が終わるころには桜が散り始め、放飼場を掃除している最中も、頭の上から桜の花びらが降ってきます。掃き終わって振り返ると、また花びらが積もっているので、掃いても掃いてもきりがありません。
ところが、これを楽しみにしているものがいます。井の頭自然文化園の中央には「ハビタット」と呼ばれる大きな放飼場があるのですが、ここは桜の花びらが積もって地面が桃色になるほどです。
ここにいるヤクシカは、ふだんよく食べている干し草に目もくれず、歩き回りながら桜の花を食べています。私がハビタットに入ると、ヤクシカがパッと顔をあげるのですが、その口のまわりに花びらが……。もしかすると、人間以上に季節を満喫しているのは動物たちなのかもしれません。
今、ハビタットのまわりのサトザクラが見頃をむかえ、濃いピンク色の大きな花を咲かせています。井の頭自然文化園の桜はまだまだ満開! ヤクシカといっしょにお花見を楽しんでみてはいかがですか?
〔井の頭自然文化園飼育展示係 齋藤美和〕
(2009年04月17日)
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