ニュース
白いトノサマバッタでホワイトデー
 └─多摩  2009/03/14

 こちらのニュースでお伝えしたとおり、2009年2月14日のバレンタインデーでは、暖かい場所に集まる習性を利用し、黒いトノサマバッタをハート型に集めてみました。今回は3月14日のホワイトデーにちなみ、白いトノサマバッタでハートを作ってみました。

 白いトノサマバッタは、色素合成を誘導するホルモンがないために白色化したバッタです。ホッキョクグマと同様、体が白いと光を吸収しやすく、熱を逃がしにくいのではないかと考え、黒い個体とちがって、あまり集まらないのではないかと心配でした。

 日々飼育をしていても、黒いトノサマバッタと白いトノサマバッタでは、ちょっとしたちがいを感じます。黒いトノサマバッタは日差しが強くあたり、温度が高い場所であっても大丈夫なのですが、同様の場所に白いトノサマバッタの飼育容器を置くと体が乾燥して、死んでしまう個体が多く見られます。

 実際、ハートの部分を温めても、白いトノサマバッタはあまり集まりませんでした。そこで、日射しを減らしたり、ハートのまわりの温度を低くしたりして、何とか集めることができました。

 集まっているバッタには、後ろ脚で自分の糞を蹴り飛ばしたり、落ち着ける場所を求めて小競り合いをしたりする行動がときおり見られます。多摩動物公園の昆虫園にお立寄り際は、じっくり観察してください。

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 杉田務〕

(2009年03月14日)



ページトップへ