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ちょっと変わったネコ、マヌルネコ
 └─上野  2009/03/06

 マヌルネコの名を知っている方はあまり多くはないと思います。上野動物園の小獣館でも、「なんかこのネコ変だよね!」という声よく耳にします。見た目はイエネコよりちょっと大きくて毛の長いネコなのですが、ずっと見ていると……なんだか、しゃべりだしそう。

 なぜでしょう? 右の写真を見て、ちょっと考えてみてください。

 多くのネコ科動物は、耳が顔の上側についていますが、マヌルネコは低い位置(横側)についています。そして、最大の特徴は「瞳孔」です。多くのネコ類動物の瞳孔は、明るい場所では縦長(いわゆるネコ目)になるのですが、マヌルネコはヒトと同じく、丸いまま大きくなったり小さくなったりします(右の写真上2点を比べてください)。なんとなくしゃべり出しそうなのは、この顔のためかもしれません。

 上野動物園の小獣館では、1998年に中国の青海省から来たオスと、2002年に名古屋市の東山動植物園から来たメスのあいだで繁殖に成功。2004年に雌雄の双子が生まれ、この双子は埼玉県こども動物自然公園に移動しました。その3年後の2007年、メスのペッキーが生まれ、またその1年後にメスのタビーが生まれています。

 繁殖は順調ですが、マヌルネコは群れでは生活しないため、このたびペッキーが神戸市立王子動物園に移りました。そして、もうそろそろ今年(2009年)の繁殖に向けて、タビーを「予備飼育施設」に移してしまいますので、ご来園はお早めに。うまくいけば梅雨ごろ、また小さなマヌルネコに会えるかもしれません。

〔上野動物園西園飼育展示係 藤岡紘〕

・東京ズーネット、ニュース「マヌルネコの赤ちゃん、生まれました」(2004年5月)

・東京ズーネットBBの動画「マヌルネコの赤ちゃんたち」(2004年5月)

・東京ズーネットBBの動画「マヌルネコの赤ちゃん」(2007年10月)

(2009年03月06日)



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