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モルモットの赤ちゃんを人工哺育
 └─上野  2009/02/28

 2009年2月12日、上野動物園の子ども動物園でモルモットの赤ちゃんが生まれました。2頭のメスが、それぞれ2頭と3頭の赤ちゃんを産んだのですが、一方の母親が死亡してしまい、もう1頭の母親に5頭を育てさせることにしました。

 モルモットで代理母に育児をさせるのはそれほど珍しいことではありません。今回5頭を託された母親も、すんなり受け入れてくれました。

 ところが、母親が死んでしまった2頭は生まれつき体が小さく、母親の二つしかない乳首を5頭でうばいあいと、どうしても負けてしまいます。このままでは育ちが悪くなり、最悪の場合、死亡する可能性もあります。

 そこで、モルモットではあまりおこなわない人工哺育に切り替えることにしました。赤ちゃんを完全に母親から離すわけではなく、足りない分を「補助的」に与えることにしました。

 人工哺乳を始めてから2頭の体重は順調に増え、1週間も経つと、ほかの3頭にくらべて体重の増加量にもほとんど差がなくなりました。

 モルモットは「早成性」、つまり、生まれたときはすでに毛も歯も生え、母親のお腹の中で十分に育ってから生まれます。そして、生まれて数日で野菜などのえさを食べられるようになります。人工哺育の2頭も、ミルクだけでなく、ほかのえさも食べられるようになり、もう心配なさそうなので、哺乳は打ち切りました。

 完全に離乳する日まであともう少しです。この子どもたちが元気に「ふれあいコーナー」で活躍できる日がくるよう、これからも見守っていきます。

〔上野動物園子ども動物園係 鈴木里美〕

(2009年02月28日)



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