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イモムシとサナギでひな祭り
 └─多摩  2009/02/28

 豆まきも終わり、梅が見ごろを迎えました。女の子がいらっしゃるお家では、押入れの奥からひな飾りを取り出し、家族そろって飾りつけを楽しまれたことと思います。

 ひな飾りの主人公は、お姫さまとお内裏さまですが、引き立て役(?)のうち、「三人官女」と「五人囃子」はよく知られています。しかし、桃の花や橘、ボンボリも、欠くことのできない脇役といえます。

 多摩動物公園の昆虫園では、それら脇役たちにチョウの幼虫やサナギを飾りつけ、一風変わったひな飾りを作りました。

 まず桃の花ですが、木の枝に飾りつけたのは、ツマムラサキマダラの銀色のサナギ、アサギマダラのエメラルドグリーンに輝くサナギ、オムレツ(?)のかたちをしたアカボシゴマダラのサナギ、シロオビアゲハなどの緑色のサナギ。

 つぎに、橘に模した緑色のタワーには、ツマベニチョウ、シロオビアゲハ、スジグロカバマダラ、オオゴマダラの幼虫をそれぞれの食草とともに配置しました。さらにボンボリには、オオゴマダラのサナギを炎に見立て取りつけてみました。

 そして肝心のお姫様とお内裏様は、園内ギフトショップで販売しているチンパンジーのぬいぐるみ。色紙で作った特別製の衣装を着させてあります。

 「キモカワイイ」ともいえるこの展示は、単に奇をてらったわけではありません。一言にチョウといっても、種が異なれば、幼虫やサナギの色やかたちが大きく異なることを紹介し、多様な生物界の一端を知っていただくのがねらいです。

 今回の企画+演出は、昆虫園飼育展示係の若手女子飼育係・牧村によるもので、日常の展示管理は、チョウ班のオヤジ飼育係4名が担当しています。

 展示期間は、2009年2月27日から3月3日まで。桃の節句までの限定公開です! お早めに。

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 細井文雄〕

(2009年02月28日)



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