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暖を取るチャイニーズポットベリー姉妹
 └─上野  2009/02/20

 上野動物園子ども動物園の「ともだち牧場」では、平日10時30分~11時30分、ラマやロバなどの動物に触れるふれあいコーナーをおこなっています(日によって開催しないこともありますので、あらかじめお問い合わせください)。

 その中でひときわ注目を集めているのが、「チャイニーズポットベリー」という種類のミニブタの姉妹、「ハル」と「ユキ」です。来園者の中にはブタをさわったことがないという方も多く、さわり心地にみなさん驚いています。今回は、そのミニブタ姉妹の最近のお気に入りを紹介しましょう。

 冬になると私たちはたくさんの服を着て防寒対策をしますよね。動物たちもモコモコとした冬毛に生えかわったり、脂肪をたくわえて寒さから身を守ります。ミニブタも冬になると毛が増えるのですが、ほかの動物にくらべると、あまり多くありません。また、毛は太く剛毛で、密集していないため、地肌が見えます。そのため、寒さは苦手なようです。

 ハルとユキは、いつも日なたで2頭重なり合って寒さをしのぎ、徐々に気温が下がる夕方には、悲痛な叫びで「帰りたいコール」を訴えます。

 先日、最高気温が10度を下まわり、太陽も顔を出さないとても寒い日のこと、ふれあいコーナーの準備をしていると、ミニブタ姉妹がガタガタとふるえていました。たしかに、分厚い防寒着を着ている私ですら寒い!!

 あまりにも激しくふるえているので、なんとかならないものかと知恵をふりしぼりました。そこで思いついたのが「電気ストーブ」です。単純な発想ですが、確実にあたたかい!! 心配なのは、近づきすぎてヤケドをしないかということと、初めて見る電気ストーブに驚かないかということでした。

 いつまでも考えていても始まらないので、ヤケド防止柵とともに電気ストーブを2頭の近くに置いてみました。いつもなら、見慣れぬモノに対して過敏に反応するところですが、2頭はすんなりストーブに近づき、たちまちあたたかさのトリコになりました。

 2頭はたがいに押し合いながら、ベストポジションを奪い合います。女どうしの静かな小競り合いの後は、2頭で半分ずつあたたかさを分け合うようになりました。ときには、ヤケド防止柵に体をすりつけたり、寝転がったりします。

 2頭がじっとストーブの前にいてくれるので、お客さんはミニブタ姉妹との触れ合いもしやすくなりました。営業精神ゼロの怠惰なすがたを心配していたのですが、お客さんの反応は上々。むしろ今まで以上に人気を集めています。

 最近、少しずつあたたかくなってきました。そろそろ、この姉妹のうっとり顔も見おさめかもしれません。でも、寒さが戻る日もまだあるはず。そんな日は、ぜひ子ども動物園の「ともだち牧場ふれあいコーナー」に参加してください!

〔上野動物園子ども動物園係 橋川真弓〕

(2009年02月20日)



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