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トカラヤギの来園 
 └─多摩  2009/02/13

 2009年1月10日、上野動物園からトカラヤギの「ゴハン」(オス、3歳)がやってきました。繁殖が目的です。ゴハンを群れに入れるた当初、メスたちは遠くからようすをうかがっていましたが、その距離は数日でちぢまりました。

 ゴハンはほかのヤギより一回り小さく、また、白くて長い毛をしているので、遠くからでもすぐに見つけることができます。体は小さいのですが、とてもいばっています。餌はひとりじめ。なかまが近づこうものなら、すごい勢いで追い払います。今やすっかり群れの大将気分です。

 一方、これまでリーダーだった「ビワ」(オス、8歳)は、オスどうしでケンカをする恐れがあるため、ゴハンといっしょにできません。そこで、ビワはサル山横の斜面に移しました。ここは陽あたり良好、ぜいたくなほどのスペースがあります。やや急傾斜ですが、「山羊」だからこそ大丈夫のはず。

 ところがビワは、「ヒェ~ヒェ~」と不安そうな声で鳴き続け、ついに声がかれてしまいました。見ると、いつも下の緩斜面にいます。雨宿りができる小屋までは、やや急な斜面をのぼらなくてはなりません。

 「もしかして、のぼれないのかもしれない……」──一時はそんな心配もしましたが、移動して1週間後、ビワは見ちがえるほどたくましくなったようすで斜面の上に立つようになりました。

 多摩動物公園にご来園の際は、雑木林の茂みに隠れている「山羊」をぜひ見つけてみてください。

写真上:トカラヤギ「ゴハン」
写真中:トカラヤギ「ビワ」
写真下:ビワを放した斜面

〔多摩動物公園南園飼育展示係 若井直美〕

上野動物園でのゴハンのニュース(2007年12月7日)

(2009年02月13日)



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