催し物
特設展示「センス・オブ・ノスタルジア──園長の部屋から」、ポッペケ園長はだれ?
 └─2010/11/27

 井の頭自然文化園が開園したのは戦時中の1942(昭和17)年。前身の中之島小動物園の開園は1934(昭和9)年ですから、それを含めると文化園には76年もの歴史があることになります。

 以前から文化園の歴史を振り返る展示を作りたいとスタッフで考えていました。また文化園の歴史は井の頭池を中核とした周辺の自然環境の変遷とも深く関わっています。

 この特設展示は、私たち自身が文化園や文化園のあるこの地の自然を見つめ直すつもりで作りました。

 展示の舞台は、ポッペケ園長と呼ばれる架空の園長の部屋です。ただ写真や資料を並べるだけでは味気ないので、なにか良い展示方法はないかと考え出したのが、武蔵野で生まれ育ち、子供のころから文化園に通い、やがて園長となったポッペケ氏(78歳)です。動物園や動物が大好きな園長の部屋は、昔を語るモノや資料があふれていて、そしてなんとなくなつかしくほっとする空間、という設定で展示を作りました。

 スタッフが作り出した園長でしたが、過去の資料や情報を集める過程で、まさにポッペケ園長のように、深く熱い想いで文化園に関わってきた方たちを知ることができました。

 元園長の木村四郎さんはじめ、ポスターやチケットのデザインをしていた渡邊武雄さん、小さいころから文化園に通いつめていた須田孫七さん、そのほかにも写真を提供してくださった来園者の方々など、いろいろな形で文化園に関わり、さまざま想いをもった方たちの協力で展示はできあがっています。

 展示を作っていくなかで、私たち自身もたくさんの新しい発見をし、また今、文化園があることの重みを感じました。昔を知っている方はもちろんのこと、昔を知らない方たちも、なつかしいモノ、なつかしい風景のなかに新しい発見をしてくださるとうれしいです。

特設展のお知らせ

〔井の頭自然文化園教育普及係 天野未知〕

(2010年11月27日)



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