催し物
3/20-5/26 水生物館特設展示「身近な外来生物アメリカザリガニ」開催中
 └─井の頭 2013/03/29

(※会期を延長し、2013年5月26日(日)まで開催します)

 アメリカザリガニは、日本各地の池や川、田んぼや水路にすんでいます。「ザリガニ釣り」をして遊んだり、家や学校で飼育したりしたことがある人も多いでしょう。アメリカザリガニは、むかしも今も、子どもたちにとって身近な水辺の生きものとして親しまれています。一方で、近年各地でさまざまな問題を引き起こしていることが明らかになってきました。
 
 アメリカザリガニは雑食性で、水生昆虫や水草などなんでも食べてしまうため、多くの生物に影響を及ぼします。また、卵や孵化した稚エビをメス親が保護し、成長も早いため、急激に数が増えることがあります。一度池などに入ってしまうと、その後数年のうちに、水草や水生昆虫の多くが絶滅してしまうといわれています。

 全国各地に定着し、ペットや学校教材として広く利用されていますが、アメリカザリガニが及ぼす被害の実態については、子どもたちはもちろん、利用関係者の間でもほとんど知られていません。そのため、今でもさまざまな形で人為的な移入が続いています。

 アメリカザリガニを扱う場合は、外来生物であることや、それによって引き起こされる問題について、十分理解しておく必要があります。

 アメリカザリガニがまだ定着せず希少な水草や水生昆虫が豊富に見られる水域や、絶滅危惧種であるニホンザリガニの生息域などへは持ち込まないよう、広く徹底して知らせることが重要です。

 井の頭自然文化園水生物館で2013年3月20日から開催している特設展示「身近な外来生物アメリカザリガニ」では、生き物としてのアメリカザリガニの特徴や、引き起こされる問題、駆除が難しいことなどを大きなパネルで解説しています。また、アメリカザリガニを観察しやすいように3つに分け、大小さまざまなサイズの個体を多数入れた水槽、お腹側が見えるようにくふうして雌雄が見わけられるようにした水槽、水草を植えて食べるようすが見られるようにした水槽を展示しています。

 開催は2013年5月12日までです。(※会期を延長し、2013年5月26日(日)まで開催します)

写真上:特設展示風景
写真下:雌雄を見分ける水槽

〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 児玉雅章〕

(2013年03月29日)



ページトップへ