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ジャイアントパンダ「シャオシャオ」と「レイレイ」の返還までの道のり
 └─2026/03/05
 2026年1月27日から28日にかけて、ジャイアントパンダの「シャオシャオ」(オス)と「レイレイ」(メス)を、中国ジャイアントパンダ保護研究センター雅安基地へ無事返還しました。2頭の返還は、東京都と中国野生動物保護協会との協定に基づきおこなわれました。

 今回は、シャオシャオとレイレイが経験した、上野動物園から中国到着までの道のりをお伝えします。

上野動物園出発の日
 搬出当日。シャオシャオとレイレイは、これまで重ねてきた輸送箱への馴致トレーニングどおり、落ち着いて輸送箱の中へ入りました。しかし、輸送箱を部屋から切り離した頃から、周囲の人の動きや気配の変化に反応し、そわそわと動き回るなど落ち着かないようすが見られました。飼育係が声をかけながら好物のえさを差し出すと、少しずつ落ち着きを取り戻しましたが、中国までの長時間の移動を安全におこなうことを最優先に、予防的に鎮静剤を投与しました。 投与後は安定した状態を保ち、シャオシャオ、レイレイの順にトラックへ運び、フォークリフトで慎重に積み込みました。そして13時24分、上野動物園を出発しました。

 園路には多くのみなさまが集まり、静かに手を振りながら2頭の旅立ちを見守ってくださいました。

成田空港と機内の様子
 2頭を乗せたトラックが成田空港へ到着後、各種手続きを経て出発を待ちました。離陸まで時間がありましたが、鎮静剤の効果が薄れてきた後も落ち着いており、輸送箱内に入れたえさを食べるようすも見られました。その後は貨物機へ搭載され、20時14分に離陸。日本を離れ、中国へ向かいました。

機内では、中国の専門家と長く2頭を担当してきた飼育係が同乗し、定期的に見回り、健康状態を確認しました。シャオシャオは犬座りの姿勢で周囲を警戒するようすが見られましたが、時間の経過とともに徐々に落ち着いていきました。一方、レイレイは比較的落ち着いて過ごし、仰向けになって休息する姿も確認されました。輸送箱内に入れたえさについては、レイレイはほぼ食べ終え、シャオシャオも一部を食べていることが確認できました。また、水皿の水量の変化から、レイレイが飲水していたようすもうかがえました。機体が大きく揺れる場面もありましたが、2頭とも落ち着きを失うことなく、無事に成都天府国際空港に到着しました。

 到着後は入国に伴う検査を終え、再び2頭はトラックに積み込まれ、雅安基地に向かいました。雅安基地の到着は、早朝5時頃(日本時間6時頃)でした。まだ夜明け前の時間帯にもかかわらず、検疫エリア前には防護服を着用した基地職員のみなさんが、2頭の写真がついた団扇を手に持って温かく迎えてくれました。シャオシャオとレイレイは、長い移動の後で、やや疲れたようすも見られましたが、健康状態に問題はなく、落ち着いた状態で検疫施設へ収容されました。その後、基地職員と引き継ぎをおこない、2頭の性格や健康状態、食事内容など、これまでの飼育情報を丁寧に共有しました。これまで日本から返還したパンダを担当している職員が、今回もシャオシャオとレイレイを担当されると聞き心強く感じました。

 その後も数日間、2頭の状態を確認するため雅安基地に滞在しました。到着後まもなく、2頭は屋外と室内を自由に行き来しながら生活を始めました。また、日中はタケノコ、夜間はタケを食べており、健康状態に特に問題はないとのことで、新しい環境にも徐々に慣れていくようすがうかがえました。

 シャオシャオとレイレイは中国で新たな生活を歩み始めました。私たちの役目は一区切りとなりましたが、遠く離れていても、いつまでも2頭の成長をあたたかく見守っていきたいと思います。

輸送中のシャオシャオ(2026年1月28日撮影)
輸送中のレイレイ(2026年1月28日撮影)


みなさまからのメッセージを届けました
 今回の返還にあたり、オンラインで募集したシャオシャオ&レイレイへのメッセージや、これまで2頭に関わってきた職員からのメッセージをまとめたアルバムを作成しました。このアルバムは、中国ジャイアントパンダ保護研究センターへお渡ししました。日本でどれほど多くの方に愛されてきたか、その思いを現地の関係者へお伝えすることができたと思います。ご協力いただいたみなさまに、心より感謝申し上げます。

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(2026年03月05日)


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