こちらの記事でお知らせしたとおり、2024年10月28日、
「パンダの日記念講演会『ジャイアントパンダの繁殖研究プロジェクトの13年間を振り返って』」を開催しました。アーカイブとあわせて開催報告をお届けします。

講演会のポスター
講演会には、プロジェクトの主役である「リーリー」と「シンシン」の飼育を担当した歴代のジャイアントパンダ飼育係3名と園長が登壇し、13年間の2頭の功績と上野動物園の取組みを振り返りました。
●講演1「リーリーとシンシンの来園と繁殖の取り組み」
東京都大島公園事務所 倉持浩
●講演2「シャンシャンの誕生と成長 5年8カ月の歩み」
多摩動物公園 中島麻衣
●講演3「リーリーとシンシンの軌跡 西園への引っ越し~中国返還」
恩賜上野動物園 齋藤圭史
●講演4「上野動物園の限りない挑戦—13年間の功績を振り返って―」
恩賜上野動物園園長 福田豊
まず講演1では、リーリーとシンシンの来園が決まるまでの経緯や、東日本大震災時のようすを含む、来園から公開開始までの経過、そして初めての子の誕生とその後の繁殖への取組みについてお話ししました。
講演2では、「シャンシャン」が生まれる前のリーリーとシンシンのようすから始まり、シャンシャンの誕生と成長、そして中国に送り出す直前に初の発情が起こり、立派なおとなとして旅立ったことまでを振り返りました。
講演3では、新しい施設への引っ越しプロジェクト、上野動物園で初めて生まれた双子「シャオシャオ」と「レイレイ」の成育、リーリーとシンシンの病気とその治療の報告を経て、先月の2頭の中国返還にいたった経緯などを紹介しました。
最後に講演4で、野生のパンダを取り巻く状況、リーリーとシンシンの13年間の功績を総括的にお話しし、「限りない挑戦は続く!」と園長が力強く締めくくりました。

講演4で登壇した福田豊園長
上野動物園では、今後もジャイアントパンダを始めとした野生動物の保全に向けた飼育・繁殖に力を注いでいくとともに、動物や動物たちのおかれている環境について広くお伝えする教育普及イベントをおこなっていきます。今後も当園の催しにふるってご参加いただき、いっしょに動物たちを守る担い手となっていただければうれしいです。
今回の講演会は、多くの方にお申し込みをいただいたため、抽選となりました。残念ながら落選となってしまった方を含め、多くのみなさまに、広くジャイアントパンダの保全や上野動物園の取組みを知っていただくため、講演会のようすを撮影した動画を期間限定で公開します。ぜひ、ご覧ください。
※2024年11月30日(土)までの公開です。公開期間中にご視聴ください。
※配信は終了しました。
なお、講演会当日は演者の熱演がつづき、時間の関係上ディスカッションを割愛することになりました。閉会後、動物園内でディスカッションを収録しましたので、あわせて公開します。
※こちらも公開は2024年11月30日(土)までです。
※配信は終了しました。

園内で行ったディスカッションのようす
※今回のシンポジウムの運営費の一部に、
ジャイアントパンダ保護サポート基金を活用いたしました。基金の趣旨に賛同し、ご支援をいただいたみなさまに、あらためてお礼申し上げるとともに、引き続きご支援いただきますようお願いいたします。

中国の施設に移動したジャイアントパンダ3頭
〔上野動物園教育普及係 佐藤恵〕
(2024年11月09日)
(2024年12月01日:動画公開終了)