上野動物園では、このたびアイアイの「ヒーラ」(メス)を台北市立動物園へ移動することになりましたので、お知らせします。

アイアイ「ヒーラ」
(撮影年月:2017年8月)
移動するアイアイ
名 前 ヒーラ(Hira) ※マダガスカル語で「歌」の意味
性 別 メス
年 齢 10歳
生年月日 2008年12月24日 上野動物園生まれ
移動予定日
2019年7月1日(月)
移動先
台北市立動物園(台湾)
経緯
当園では、マダガスカル国立チンバザザ動物園と絶滅危惧種であるアイアイの共同研究に取り組むとともに、マダガスカルの野生動植物の保護・研究団体であるマダガスカル野生動植物グループ(※1)の一員として協力しています。これまでの取組み・協力の結果、10回の飼育下繁殖に成功していますが、引き続き、国際的な共同研究による飼育技術の向上、遺伝子の多様性を保持しながら飼育繁殖をする協力園の確保といった取組み・協力が欠かせません。
このたび、台北動物園ではマダガスカル野生動植物グループに参加するとともに、アイアイを含む熱帯の動物の行動と生態を展示し繁殖を目指すための「熱帯雨林館」を新たに建設しました。このため、ブリーディングローン(※2)として、ヒーラを移動することになりました。台北動物園でも、将来的には繁殖に取り組んでいく予定です。
今回の移動により、アジア地域でアイアイを飼育する施設は上野動物園に次いで台北動物園が2園目になります。
(※1)マダガスカル野生動植物グループ(Madagasacar Fauna and Flora Group)
1988年に設立されたマダガスカルの野生動植物保全を目的とする非営利団体(国際NGO)です。事務局はアメリカにあり、世界中の野生動植物の専門家や動物園関係者などが、マダガスカルの貴重な動植物の絶滅を防ぐために、現地や動物園などと連携しながら保全活動を行っています。上野動物園は2008年から参画しています。
(※2)ブリーディングローン
繁殖を目的とした動物の貸借契約のこと。動物園間で個体を移動させることによって新たなペア形成を促し、繁殖に寄与することを目的としています。
当園での飼育状況(2019年6月27日現在)
11頭(オス5、メス6) ※今回移動する「ヒーラ」を含みます。
※国内でアイアイを飼育する施設は当園のみです。
(2019年06月27日)