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催し物
トカラヤギの人工哺育と旅立ち
 └─2011/05/06

 上野動物園子ども動物園では、2011年2月27日に新しい命が誕生しました。トカラヤギのユメがオスの双子を出産したのです。しかし喜びもつかの間、ユメが翌日より体調を崩し、治療の甲斐なく3月2日に死亡してしまいました。

 忘れ形見となってしまった子どもたちには、母親の名前から1文字ずつ取り「ユウ」「メイ」と名づけ、飼育係が育てることになりました。
 人工哺育を始めた当初、ユウとメイには牛乳を与えていました。体重も増えてきて、「もっとミルクが飲みたい」とせがむようにもなり、人工哺育は順調のように思われました。

 しかし3月11日の東日本大震災以降、牛乳が動物園に納品されなくなりました。そのため代用として、犬用粉ミルクと人用粉ミルクをお湯に溶いて与えることになったのです。

 乳を突然変えてしまうと、味が違うため飲むことを拒否したり、お腹の調子を崩したりするので、牛乳に少しずつ混ぜて慣れさせなければなりません。そのうち牛乳のストックも底をつき、「一家族様1本限り」の牛乳を買うために、飼育係がスーパーに通う日々が始まりました。そんな苦労も知らず、ユウとメイの飲む乳の量は、日に日に増えていき嬉しいやら、困るやら……。一度も体調を崩すことなく、元気に成長しています。

 2頭は生まれたときは約2.5キログラムだった体重が5月初めには約9キログラムにもなり、小さな角まで生え始めました。彼らの母親ユメに恥じぬよう、立派なヤギに育てあげようと現在も奮闘中です。

 また、2011年4月25日には、トカラヤギのオス「キントキ」とメス「マカロン」を狭山市智光山公園こども動物園に送りだしました。智光山ではトカラヤギの繁殖基地をめざしていましたが、オスがいなくなり、また、個体の老齢化が進んだため、上野動物園の若いトカラヤギを導入することになりました。智光山で2頭をごらんになれるのは6月中旬とのことです。

写真上:ユウ、鼻が黒い
写真下:メイ、鼻が白い(いずれも生後8日目)

〔上野動物園子ども動物園係 吉田真理子〕

(2011年05月06日)



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