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サーバルの累代飼育を考える
 └─2026/01/30
 サーバルは、過去にはペットとして流通するなど野生動物としては大変入手しやすい動物でした。2006年に特定動物(動物の愛護及び管理に関する法律により定められた人に危害を加えるおそれのある危険な動物のこと)に指定され、2020年には愛玩目的等で飼養することが禁止されてペットとしての流通はなくなりました。

 現在、動物園や試験研究施設などの特定目的で特定動物を飼う場合には、動物の種類や飼養施設ごとに都道府県知事または政令指定都市の長の許可が必要で、飼養施設の構造や飼養・保管の方法についての基準を守らなくてはなりません。


特定動物の施設にはそれぞれの許可書が掲示してあります


サーバルを運ぶための許可を得た輸送箱。輸送箱も許可が必要

 国内でのペットとしての流通はなくなりましたが、海外では動物園での繁殖やブリーダーを介して入手が可能で、多摩動物公園もこれまで国内外の動物園から個体を導入してきました。しかし海外からの輸入は、交渉や手続き、輸送、検疫などにおいて動物への負担や事務手続きに手間を要することになりますので、国内の個体を活用するに越したことはありません。

 国内の動物園には28頭程度のサーバルが飼育されており、約半数が当園の個体と血縁関係にあり、残りの約半数は海外から導入された個体とその子どもたちで構成されています。

 多摩では定期的に繁殖させ、4世代目が生まれていますが、他の動物園ではあまり世代を重ねていません。世代を重ねるには子どもが生まれたら、その個体が繁殖適齢期の間に繁殖相手を導入しなければなりませんが、親きょうだいを飼育しつつ繁殖相手と生まれてくる子どもを飼うスペースも必要です。

 多摩動物公園には国内最大級のサーバル飼育施設があり、繁殖させて世代を重ねる「累代飼育」が可能ですが、20年程生きるサーバルをすべて飼育し続けることはできないので多くの個体を他の動物園に送り出しています。


2つの放飼場と寝室棟。寝室棟には個室が6部屋あります

 4世代目が生まれ、そろそろ5世代目、6世代目の繁殖について考える時期が来ています。

 多く繁殖している個体で計画を進めるとよい結果が得られやすいものの、血縁関係にある個体が増えてしまいます。それは結果的に繁殖相手となる候補個体を減らすとともに、飼育スペースを圧迫することになります。逆に、子孫を残していない個体を繁殖させることは、累代飼育を進める際、繁殖相手として血縁関係の遠い候補個体がたくさんいるので、計画も立てやすくなります。また、サーバルのメスは3歳前後から繁殖可能で、経産個体は14歳での出産記録があり、オスはメスよりも長く繁殖能力があるようです。これらを考慮して子孫を残していない「そら」(オス、15歳)を2025年7月に導入しました。これまでに何度かメスと繁殖のために同居させていますが、まだよい結果は得られていません。今後に期待です。


メスとの同居のようす。微妙な距離間

 これからも世代を重ねられるように考えていきたいと思います。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 廣瀬〕

(2026年01月30日)



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