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ムフロンのえさ
 └─2025/01/09
 みなさん、ムフロンという動物はご存じでしょうか。あまりなじみのない名前の動物ですが、ムフロンは野生のヒツジで、家畜のヒツジの原種の一種です。今回は、多摩動物公園で飼育しているムフロンのえさについてお伝えします。


オスのムフロンの群れ

 野生のムフロンは木の葉や野草を食べますが、多摩動物公園のムフロンにはチモシーと呼ばれるイネ科の牧草を乾燥させたものをメインに、青草、ペレットフード(固形のえさ)、シラカシの枝葉などを与えています。

チモシーの乾草の束
左から青草、ペレットフード、シラカシの枝葉

 通常、午前中に乾草、午後にペレットフードを与え、週に2回ほどの頻度で夕方にシラカシの枝を与えています。ムフロンは食べるえさの好き嫌いがはっきりしており、青草やペレットフードを好んでよく食べ、乾草は残して食べてくれない日もあります。


青草を食べるムフロンのナポ(オス、左)とシャルル(オス、右)

 このように好きなえさだけを食べ続けていると、さまざまな不調につながる恐れがあります。そのため、担当飼育係としては乾草を食べてもらいたいと思っています。しかし、そう簡単に食べてくれないのが動物の難しいところです。ここでチモシーの乾草の写真を2つご覧ください。

乾草の比較

 一見、どちらも同じ乾草に見えますが、ムフロンたちにとっては大きな違いがあるようです。同じ乾草でもよく食べてるものとそうではないものがあり、左の乾草は柔らかいからかよく食べ、右の乾草は残してしまいます。飼育係はこの違いを見極め、ムフロンの好みの乾草を与えるようにしています。


乾草を食べるムフロンのメス

 このように、飼育係は動物たちの食性、体調や好みなどさまざまな要素を考慮してえさを与えています。多摩動物公園にご来園の際は、どの動物にどんなえさを与えているのかも観察してみてください。また、この記事をきっかけにムフロンに興味をもっていただけたらうれしく思います。

 ちなみに、ムフロンの好みではなかった乾草はどうしているかというと、同じエリアで飼育しているヒマラヤタールが食べています。


乾草を食べるヒマラヤタール


〔多摩動物公園南園飼育展示第1係 星澤〕

(2026年1月9日)


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