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輝く昆虫──パプアキンイロクワガタ
 └─ 2026/01/02
 明けましておめでとうございます。お正月といえば縁起物。招き猫の小判やお屠蘇に浮かぶ金粉など、キラキラ輝いたもので運気向上を願った方も多いのではないでしょうか。

 多摩動物公園の昆虫園にも、キラキラ輝いている虫を展示しています。昆虫園本館2階で展示している「パプアキンイロクワガタ」は、その名のとおり金属光沢のある美しいクワガタです。体長は2~5cmと小さいものの、黄緑、緑、青、紫、赤色など体色の多様性が魅力です。飼育・繁殖も比較的簡単なことから、愛好家が多い虫のひとつです。


メタリックグリーン色のオス

 現在展示している個体は、広島市森林公園こんちゅう館から緑色のペアを譲っていただき、繁殖させたものです。親は雌雄ともに緑色だったのですが、生まれた子どもたちの体色は緑、黄緑、青とさまざまでした。

黄緑色のオス
青色のメス

 オスは上に湾曲した大顎(おおあご)をもち、前脚に斧のようなかたちをした突起があります。

 クワガタというと樹液をえさにしているイメージがあると思いますが、このクワガタは一風変わっており、草などの植物の茎を切って出た汁を吸います。大顎の内側には櫛のような突起があり、これで植物の茎をはさむようにして押さえ、斧状の突起をノコギリのように使って切ります。メスの前脚には突起がなく茎を切ることができないため、オスが切った切り口に飛んでいきえさにありつきます。

 動物園では昆虫ゼリーを与えているため、茎を切って汁を吸う行動は見られませんが、人工観葉植物に登って活動する姿を観察することができます。


展示のようす

 姿が美しく、飼育が簡単なため、飼育初心者にもオススメしたいクワガタではあるのですが、飼育するうえで注意していただきたいことがあります。

 パプアキンイロクワガタがどんな草を切るかについて実験した報告によると、園芸店で売っているさまざまな花の茎を切ることが確認できたようです。これはもし野外に逃げてしまうと、国内の農業や自然環境に大きな影響を与える害虫になる可能性があるということです。生息地であるパプアニューギニアの気候を考えると、野外で日本の冬を越すのは難しいかもしれませんが、暖かい地域だと定着してしまう恐れがあります。当たり前のことではあるのですが、飼育するときは野外に逃がさないようくれぐれもご注意ください。

 多摩動物公園の昆虫園ではパプアキンイロクワガタ以外にも、オオゴマダラの蛹などキラキラ輝く昆虫の姿を見ることができます。ぜひ足を運んでみてください。2026年もみなさまのご来園をお待ちしております。

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 佐々木〕

(2026年01月02日)


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