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多摩動物公園では、今年誕生した6羽のトキが育っています──2025年繁殖結果報告
 └─2025/07/15
 多摩動物公園では、環境省が進めるトキ保護増殖事業に協力するため、佐渡トキ保護センター(新潟県佐渡市)からトキを預かり、非公開での飼育をおこなっています。

 今年も飼育中のトキが産卵し、当園では、6羽が無事に育っています。なお、多摩動物公園以外の6施設(※1)でも繁殖に取り組んでおり、現在のところ、当園の個体を含め38羽が育っています。

※1 「国内の飼育状況」の各施設参照


CHペアと巣立ったひな(左から雛③とCHペアオス)
(撮影日:2025年7月3日)


飼育中のトキのペアについて

CHペアオス:2018年5月13日生まれメス:2018年5月2日生まれ
CQペアオス:2022年5月6日生まれメス:2021年5月6日生まれ
CRペアオス:2014年5月6日生まれメス:2014年4月23日生まれ
※CRペアのメスは新潟県長岡市生まれ、その他は佐渡トキ保護センター生まれ

産卵と孵化の状況

 飼育中の各ペアのひな計6羽が育っています。鳥の繁殖には産卵後に卵を巣から取り上げて人工的に孵卵器で孵化させる「人工孵化」と巣の中で孵化させる「自然孵化」があり、ひなの育成には人の手で育てる「人工育雛」と親が育てる「自然育雛」があります。

No.両親産卵日孵化日備考
1CQペア3月5日4月2日自然孵化・人工育雛
2CHペア3月25日4月24日人工孵化・自然育雛
3CHペア3月28日4月27日自然孵化・自然育雛
4CQペア4月16日5月14日自然孵化・人工育雛
5CQペア4月18日5月16日人工孵化・自然育雛
6CQペア4月23日5月21日人工孵化・人工育雛

多摩動物公園でのトキ飼育の経緯

 単独の施設で動物を飼育すると、感染症の発生に伴い全滅するおそれがあります。トキについても、鳥インフルエンザなどの感染症対策として、複数の施設に分散して飼育しています。

 都立動物園は、40年以上にわたって佐渡トキ保護センターにおける飼育繁殖に技術協力をしてきた実績があることから、保全活動の調整機能をもつ野生生物保全センターがある多摩動物公園において2007年12月からトキを飼育し、毎年繁殖に成功しています。

国内の飼育状況(2025年6月24日現在。放鳥した個体を除く)

・佐渡トキ保護センター73羽(うち2025年生  8羽)
・佐渡トキ保護センター・
 野生復帰ステーション
37羽(うち2025年生  6羽)
・多摩動物公園13羽(うち2025年生  6羽)
・いしかわ動物園12羽(うち2025年生  7羽)
・出雲市トキ分散飼育センター14羽(うち2025年生  4羽)
・長岡市トキ分散飼育センター15羽(うち2025年生  5羽)
・佐渡市トキふれあいプラザ4羽(うち2025年生  2羽)
合計 168羽(うち2025年生 38羽)


(2025年07月15日)




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