葛西臨海水族園の特設展示「イキモノマヂカ」の「タベルノマヂカ」エリアでは、映像や標本、水槽展示を使っておこなうプログラムなどをとおして生きものの口のつくりや食べるもの、食べ方の違いを紹介しています。
そんな「タベルノマヂカ」にある水槽に、文字どおり「隠れた」人気者がいるのを知っていますか?
名前はササウシノシタ。浅い海の砂地でくらすカレイのなかまで、砂に潜って身を隠します。隠れ上手で見つけるのはとても大変。
実際に水族園で探したけど見つからなかった経験がある方もいるかもしれませんね。そこで、今回は水槽の中にいるササウシノシタを見つけるポイントを紹介します!!
まずは、水槽の底砂がないところを見てみましょう。
砂がなくなって水槽の底が見えているところはありませんか? ササウシノシタは砂に潜って一日中ずっと動かないわけではありません。水槽の底が見える場所があれば、それはきっとササウシノシタが砂から出て移動した痕跡です。点々と続いているようならその近くに隠れているかもしれません。

ある日の午前10時(左)と午後4時30分(右)の水槽のようす
痕跡から意外と動き回っていることがわかります
違和感のある箇所を見つけることもポイントの一つです。
ササウシノシタは砂の中に潜って隠れながらも周りのようすがわかるように眼だけは砂の上に出しています。また、隠れていても呼吸のためにエラは動かしているので、砂が上下に動くようすが見られます。ただ、これを見つけるのはかなり上級者向けです。
ときどき、ヒレや体表の一部が砂から出ていることもあります。砂にそっくりな体の色をしていますが、目を凝らして、このような小さな違和感を覚える場所を見つけてみましょう。

砂の上にでてきたササウシノシタ。頭は右下の方を向いています。見えますか?
時間はかかりますが、きっと見つかります。えさを与えたあとなど、タイミングによってはササウシノシタが動き回るようすが見られるかもしれません。
背びれと尻びれを使って砂の上をもぞもぞと動く姿は、「泳ぐ」というよりも「這う」ように見えます
ササウシノシタを見つけて終わりはもったいない! どんな体をしているか、どうやって隠れるのか、さらにじっくり観察しながら、どうして隠れるのか、うまく隠れるにはどうしたらいいのか推理してみてください。巧みな隠れ技にきっと驚くことでしょう。
〔葛西臨海水族園教育普及係 佐藤まなみ〕
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