今年も残すところあとわずかとなりました。みなさんにとってどんな一年だったでしょうか。来年は戌年(いぬどし)です。イヌは、人間がオオカミを飼いならして家畜化した動物といわれています。ですから、オオカミとイヌはとても近い親戚だといってもいいでしょう。そうであるなら、「2018年は狼年(おおかみどし)でもある」といえそうです(少し無理がありますね)。
そこで葛西臨海水族園では“ウルフ”(オオカミ)の名がつく「ウルフイール」を干支の生き物として、2017年12月7日から期間限定の展示を始めました。

ウルフイールは、北アメリカ西海岸の岩場などにくらし、成長すると全長2メートル以上になるオオカミウオ科の魚です。細長くにょろにょろとした体から“イール”(ウナギ)の名がついていますが、ウナギのなかまではありません。
独特な顔つきと、犬歯のようなするどい歯から、オオカミの名がついたのでしょう。えさとなるカニや貝、ウニなどの硬い生き物もじょうぶなアゴで噛みくだくことができます。
展示しているウルフイールはまだ若く、全長60センチほどです。体表のぶち模様は成長すると薄くなっていくようです。見かけによらず臆病な性格で、あまり泳ぎまわらず、石の隙間から顔をのぞかせている姿をよく見ます。細長い体を石に這わせていることもあれば、マフラーのようにくるくると巻いていることもあります。
ウルフイールは本館2階の案内カウンターの前で展示しています。めでたい(?)干支の生き物をご覧いただき、よい年をお迎えください。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 中沢純一〕
(2017年12月22日)