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高齢の黒ヤギ「チョコ」の日々のケア
 └─ 2026/02/22
 井の頭自然文化園の家畜舎では3頭のヤギを飼育しています。2頭はシバヤギという品種の白い双子のきょうだいで、残りの1頭が黒い体色をしたオスの「チョコ」です。


ヤギの「チョコ」

 チョコは2008年10月17日生まれの17歳です。ヤギの寿命は約12歳と言われており、それを考えるとかなり高齢と言えます。チョコは毛艶がとてもよく、一見すると高齢には見えないかもしれませんが、近ごろはさまざまな面でケアが必要になってきています。

 最近では、えさを食べ残してしまう日もあるため、体重の減少などに注意をしています。えさを食べ残してしまう原因の一つに、高齢による口の中の状態の悪化があげられます。歳を重ねるにつれて歯が抜けたり、徐々に顎の筋肉が弱り、噛み合わせが悪くなったりしています。

 本来ヤギは、硬い草でも何度も反芻し、歯ですり潰して消化します。しかし、チョコは口の中の状態がよくないため、草をよくすり潰すことができません。そのため、乾草や青草を食べやすいように粉砕機で細かく切って与えています。さらに栄養バランスを考え、草食獣用ペレット、ヘイキューブ(サイコロ状に成形した乾草)を水でふやかしたもの、キャベツ、リンゴ、煮ニンジンなども与えて、体重を維持できるようにくふうしています。

 また、健康な個体であれば、蹄はよく歩くことで自然に削れますが、高齢になり、歩くことが少なくなったチョコの蹄は伸びすぎてしまいます。蹄が伸びると足に違和感があり、座ったり立ったりする動作さえも億劫になるようで、立ったままうたた寝をしていることが多く見られるようになりました。立ったままでは十分な休息を取れないため、獣医師に相談して定期的に削蹄をおこなっています。


削蹄のようす

 削蹄直後は急に短くなった蹄に慣れないようすが見られましたが、慣れるとよく歩き、座って休むようすも見られるようになりました。


座って休めるようになったチョコ

 さらに、冬の寒さ対策のために、チョコに仔牛用のカーフジャケットを着せ、日光浴のため午前の短い時間だけ放飼場に出しています。


冬に日光浴をしているようす

 チョコは来園から15年のあいだ、「黒ヤギさん」として多くの方に愛されています。午後になると放飼場に出ていないため、心配される声をいただくこともあります。これからも、チョコが元気に冬を乗り越えて暖かい春を迎えられるように、体調に合わせた細やかなケアを続けていきます。

〔井の頭自然文化園飼育展示係 山口〕

(2026年02月22日)


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