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カピバラの「なえ」が来園しました
 └─ 2025/08/03
 井の頭自然文化園では、展示個体の死亡により2023年11月からカピバラの展示が途絶えていました。それ以来、「カピバラを見たいな」という来園者の声をよく耳にすることがありました。

 カピバラは文化園で飼育しているモルモットやマーラと同じテンジクネズミ科です。テンジクネズミ科のなかまでもその生態や生息環境は多様であり、比較することでそれぞれの特徴がわかりやすくなるような展示を文化園では目指しています。そこで、新しい個体を導入するために調整を進めていました。その結果、那須どうぶつ王国から「なえ」(3才、オス)が来園することになりました。

 なえを受け入れるために、かじって歯を削るための丸太を入れたり、雨よけの屋根を直したり、以前の園では深いプールに入る機会が少なかったと聞いたためプールに階段をつくったり、少しでもすごしやすくなるよう運動場を整備しました。そして2025年6月2日に、那須どうぶつ王国からなえが文化園にやってきました


到着した輸送箱を車から降ろす

 なえはおっとりとした性格のようで、3時間半の車での移動中、輸送箱のなかで暴れることなく、とても落ち着いていました。輸送箱から寝部屋に出てきたなえを見て「小さい」という印象を受けました。カピバラの体重は35~60kgと言われています。到着当日に計測したところ、なえは35kgだったので、やはり小柄な体格といえます。


搬入直後のなえ

 なえは、検疫(健康チェック)のために一週間寝部屋ですごさせたあと、6月9日の休園日に初めて運動場に出しました(放飼場デビューのようすはこちら)。警戒したようすでしたがまずは隅々まで歩き回って運動場を確認し、その後、プールに頭のてっぺんまですっぽり潜ってみたり、鼻の上にあるオス特有の「モリージョ」と言われる臭腺を柵にこすりつけて臭いを付けたりと、1日かけて探索する姿が見られました。次第になえの行動に落ち着きが見られたため、翌日から公開を始めました。


周囲のようすをうかがうなえ

 来園から1か月以上経ち、最近ではすっかり運動場に慣れたようです。カピバラは体温を下げたり、寄生虫などから皮膚を守るために「泥あび」をしますが、なえも屋根の下で泥あびをしています。プールにも入っており、水の中でフンをするカピバラらしい習性も見られています。

 ぜひカピバラのなえに会いに、井の頭自然文化園にお越しください。


屋根の下で泥浴び中


プールに入るなえ


青草もしっかり食べています

〔井の頭自然文化園飼育展示係 沼倉〕

(2025年08月03日)


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