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高齢ヒツジの「アリス」と「ベル」
 └─ 2024/11/25
 井の頭自然文化園の家畜舎で飼育している2頭のヒツジ(コリデール種)は姉妹です。「アリス」は2024年12月7日で15才、「ベル」は2025年2月14日で14才の誕生日を迎えます。コリデール種の寿命は12才前後とされ、2頭は高齢といってもよい年齢です。


「アリス」と「ベル」

 アリスとベルは、2018年に上野動物園の子ども動物園から当園にやってきました。2頭がくらすこととなった家畜舎には、当時はヤギ3頭、ブタ1頭、ニワトリ3羽が飼育されており、やってきた当初は慣れない場所、慣れない同居メンバーにおっかなびっくりでしたが、姉妹で支え合い、今ではすっかり当園の住民です。

 2頭はどんなときもいっしょです。日中運動場に出ているときはもちろん、閉園したあとに寝ている部屋もいっしょです。どちらかが具合が悪くなり治療が必要なときですら、1頭ずつ分けるということはありません。

 ヒツジは群れでいることに安心する動物で、互いの姿が見えないと不安になりソワソワ。「べぇーー!!べぇーーー!!!」と、それは大きな声で鳴き続けます。しかし、みなさんの想像する「なかよし」とは少し違います。寄り添って休んだり、互いを舐め合ったりするような仲むつまじい姿は一切みられません。それでも、とにかくお互いが必要な存在なのです。


左:ベル、右:アリス。2頭の寝室

 そんな「2頭で1つ」のアリスとベルも、毎年年を重ねて高齢になってきました。高齢がゆえに、各季節を乗り越えるハードルが年々高くなってきています。毛が密なコリデールにとって苦手な季節は夏ですが、今年は冷風機やミストの設置、首に保冷剤を巻くなどして、なんとか乗り越えることができました。

 次は寒い冬がやってきます。互いに必要としているアリスとベル、2頭いっしょに少しでも元気に長生きできるようサポートしていきます。

〔井の頭自然文化園飼育展示係 山口〕

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