井の頭自然文化園のアジアゾウ「はな子」が、2011年末から体調を崩しがちだったことは、前回の近況報告「65歳のお祝い会」編でお伝えしました。
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「アジアゾウはな子、65歳のお祝い会」(2012年02月17日)
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「アジアゾウはな子65歳、国内最年長記録」(2012年02月05日撮影)
例年にない今年の寒さは高齢のはな子にはことのほか応えるようで、飼育担当者も日々のメニューや保温に頭を悩ませています。
あれほど好きだったバナナにまったく口(鼻?)を付けない日もあれば、これまであまり好きではなかった乾草を完食してみたり、その日の体調で嗜好が変化するはな子になんとか栄養をつけてもらおうと、さまざまなペレット類や野菜を用意しては試しています。
はな子の行動にはこれまで目立った変化は認められなかったのですが、3月7日に放飼場で腰を落として伏臥姿勢を1分ほど続けるようすが目撃されました。これまでにない行動なので、みなおおあわてで現場に駆け付けると、はな子はすでに立ち上がって普通に歩きまわっており、一同ホッと胸をなでおろしました。その日は大事をとってすぐに入舎させたのはいうまでもありません。
その夜は通常よりも長い時間横臥・伏臥でのまどろみが観察されましたが、一夜明けると、よく寝てすっきりしたのか、バナナを完食し、係員の用意したシラカシの枝やイモ団子をよく食べました。前日は4月並みの暖かさだったので、つい放飼場で居眠りをしたのかもしれません。
しかし寒さはまだまだ続くようです、これからもいつもと違う行動を見せるかもしれず、注意深く見守っています。
早く暖かくなっていつものはな子に戻るよう、そして一日でも長く長寿記録を更新できるように担当者一同願ってやみません。
それまでははな子ファンのみなさんにも観覧時間短縮等でご心配をおかけしますが、どうぞご理解いただきますようお願いいたします。
〔井の頭自然文化園飼育展示係 はな子担当者一同〕
(2012年03月09日)