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ニシゴリラ「ムサシ」やすらかに
 └─上野  2016/07/26

 昨日2016年7月25日、上野動物園のニシゴリラのオス「ムサシ」が肺炎で死亡しました。ムサシは1980年7月4日に英ブリストル動物園で生まれ、36歳をむかえたばかりでした。2000年10月6日に釧路市動物園から上野動物園に来園した個体です。


ニシゴリラ「ムサシ」(2012年撮影)

前月からの経緯

 ムサシは2016年6月14日に体の震えなどの症状が見られるようになりました。2007年に発症した脳梗塞の再発の可能性があるため治療を続けていましたが、徐々に元気を失い、食欲も減じて、7月18日以降、飼育係の呼びかけにも応えなくなりました。

 7月25日午後、全身麻酔下で検査を実施しましたが、麻酔から覚醒する過程で状態が急変しました。蘇生処置を施しましたが、残念ながら19時に死亡を確認しました。

誕生から来園、そして上野動物園でのムサシ

 ムサシはイギリスのブリストル動物園で生まれ、1982年に北海道の釧路市動物園に来園しました。2010年10月、繁殖を目的とした貸借契約(ブリーディングローン)にもとづき、上野動物園に来園。その後、メスたちとの同居を試みましたが、残念ながら繁殖にはいたりませんでした。

 2007年7月、脳梗塞と思われる発作が起こりました。右上半身に麻痺が見られるようになり、上野動物園では投薬治療を続けていました。

 単独での生活が長かったため、上野動物園ではゴリラどうしの関係を築くことがむずかしかったムサシですが、飼育係にはとても友好的な態度を見せ、優しさを感じさせる個体でした。

 ムサシの死後、上野動物園のニシゴリラはオス1頭(ハオコ)、メス6頭(ピーコ、トト、ナナ、モモコ、コモモ、モモカ)となりました。

(2016年7月26日)

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