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 Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.416 - 2009年01月23日

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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」

・ツル類捕獲のコツ、それは……。

・東京動物園友の会に入会しませんか? 年会費は、 2,000円。機関誌「どうぶ
 ぶつと動物園」を年4冊お届けします。入会・継続の手続きは、クレジットカ
 ード&オンラインでもOK! → http://www.tokyo-zoo.net/member/

■目次■----------------------------------------------------------------

 ・上野動物園
   ├─2頭でいれば怖くない(?)、口之島牛と見島牛
   └─上野のコモドオオトカゲ、シンガポールで産卵

 ・多摩動物公園
   └─捕獲せよ!──ツルたちのお引っ越し

 ・葛西臨海水族園
   ├─
   └─展示していたミツクリザメ、残念ながら死亡しました

 ・井の頭自然文化園
   └─オオサンショウウオの全長と体重を測定

 ・財団法人東京動物園協会
   └─嘱託員を募集してます

 ・書籍紹介──森裕司・奥野卓司(編集責任)
        『ペットと社会』(ヒトと動物の関係学第3巻)

■上野動物園■==========================================================

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 ▼2頭でいれば怖くない(?)、口之島牛と見島牛
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  丑(うし)年を目前にした昨年(2008年)暮れ、上野動物園の子ども動物園
 に2頭の在来牛がやってきました。11月23日に口之島牛のメス「桜」、12月12
 日に見島牛のオス「初春」(はつはる)が子ども動物園にデビューしました。

  「在来牛」とは、古来より西洋種などと交雑せずに残っている牛。口之島牛
 は鹿児島県の口之島、見島ウシは山口県の見島で飼われていた牛。現存するす
 る日本の在来牛は、この2種類だけです。(口之島牛と見島牛に関するニュー
 スは、記事末尾↓をごらんください。動画ニュースもどうぞ!)

  当初、環境に慣れてもらおうと、2頭を別々の場所で飼育していましたが、
 いずれもまだ子どもですし(桜は2008年4月20日生まれ、初春は2007年12月31
 日生まれ)、2頭ともおとなしく、また、人にもあまり慣れていないので、い
 っしょに飼育すると落ち着くのではないかと考え、昨年(2008年)のうちに同
 居させてみました。

  2008年12月29日の休園日、担当者を含め5名の職員が万全の態勢をとって作
 業をおこないました。初春がいる曲屋(まがりや)の運動場に桜を入れたとこ
 ろ、初春の存在よりも、周囲のものものしい雰囲気に驚いていたようです。

  一方の初春は、突然自分のテリトリーに入ってきた桜を、寝小屋の中からこ
 っそり覗いていました。しばらくすると、年上の初春が桜に近づき、2頭はお
 たがいに匂いをかぎはじめました。そして、頭を付き合わせて軽く押し合って
 力比べをしたり、相手の体の上に乗ろうとしたりしていました。桜の方が年下
 ですし、体も一回り小さいので、初春に圧倒されてしまうのではないかと思い
 きや、桜も負けていません。結局、争いは一切見られず、2頭はすっかり打ち
 とけました。同居開始後数十分もすると、ずっといっしょにいたかのように、
 つねに行動をともにするようになりました。

  2頭の同居後、私たちと牛たちの距離が少し縮まったように思います。2頭
 でいればコワくない、ということなのでしょうか? もともと初春は人間に少
 し興味を示していましたが、桜もその初春のうしろに隠れるようにして、人間
 に近寄ってくるようになりました。餌の時間になり、担当者のすがたを目にす
 ると、跳ねながら駆け寄ってきます。「少し慣れてきたかな?」と思いながら
 私が運動場に入ると、桜はへっぴり腰で後ずさって行きます。慣らすのはそう
 簡単なことではないですね。

  初春は桜といっしょになったことで落ち着いたのか、餌を元気よく食べるよ
 うになりました。朝一番に運動場に行くと、餌を入れる容器が外に投げ出され
 ていることもあります。初春のしわざにちがいありません。

  桜も初春と同じく落ち着きを見せるようになりましたが、もともとひかえめ
 だった性格がさらに控えめになったように感じられます。2頭で餌を食べてい
 るときなど、とくに攻撃されたわけでもないのに、初春にゆずる行動が見られ
 ます。でも、「絶対食べたい!」というときは、桜もゆずりません。また、初
 春が運動場を駆け回っていると、桜もそれを真似しますが、真似るすがたが、
 ぎごちないような気もします。でも、そのすがたが、また愛らしいのです。

  日々成長する2頭──どんな口之島牛、そして見島牛に育つでしょう? み
 なさんもぜひ、子ども動物園の初春と桜に会いに来てください!

                  〔上野動物園子ども動物園係 橋川真弓〕

 ・子ども動物園での口之島牛関連ニュース
   http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=10540
   http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=10417

 ・子ども動物園に見島牛登場
   http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=10539

 ・東京ズーネットBB動画「在来牛『口之島牛』来園!」
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0811_01/index.html

 ・東京ズーネットBB動画「山口の在来牛、見島牛」
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0812_04/index.html

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 ▼上野のコモドオオトカゲ、シンガポールで産卵
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  2008年4月に上野動物園からシンガポール動物園に送り出したコモドオオト
 カゲのメスが、2008年12月2日に交尾したことは、こちら↓のニュースでお伝
 えしました。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=10574

  そして、さらに吉報! 産卵が見られたのです。2009年1月1日に1卵、1
 月7日に19卵を確認しました。うまく育つかどうか、卵の状態に不安もありま
 すが、期待が持てそうな卵が1個だけあります。なお、1月7日に産み出され
 た最後の卵は、母親が食べてしまいました。残る卵はすべて孵卵器に入れ、経
 過を観察中です。

  なお、2008年2月に上野動物園で産卵が見られた際よりも、今回の方が産卵
 数も多く、また、各卵の重量も増えていました。

■多摩動物公園■========================================================

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 ▼捕獲せよ!──ツルたちのお引っ越し
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 ◎捕獲せよ!シリーズ第4弾「ツルたちのお引っ越し」

  昨年(2008年)11月、多摩動物公園のソデグロヅル舎内にある木が伸びてき
 たので切ることにしました。ケージの中にツルがいたままでは作業がやりづら
 いので、11月中旬、モウコノウマ舎の上にあるコウノトリ舎へソデグロヅルを
 移しました。ここには、新施設「ウォークインバードケージ」に移動予定のツ
 ルもいます。今回移動させたソデグロヅルも、その一部をウォークインバード
 ケージに移すことになっています。そこで、ソデグロヅル舎の剪定終了後、ソ
 デグロヅルの一部を元のケージにもどすとともに、他のツル類を含め、バード
 ケージへの引っ越しを実施することにしました。

  2008年12月3日、タンチョウ、ソデグロヅル、マナヅル、クロヅル、アネハ
 ヅルの5種21羽の捕獲に取りかかりました。

  ところで、以前コウノトリの捕獲についてお伝えしました↓
 「ニホンコウノトリを捕まえろ!」(2008年3月14日)
    http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=8613

  コウノトリとツル類は、外見は似ていますが、捕獲時の注意点が微妙に異な
 ります。コウノトリは、その最大の武器である嘴につつかれないないよう気を
 払わなければいけませんが、嘴を押さえてさえしまえば、おとなしくなり、あ
 つかいやすくなります。

  しかし、ツル類は勝手が少々ちがいます。嘴か翼を押さえたら、そこで安心
 せず、すばやく体をかかえこみ、足による攻撃をかわさなければなりません。
 また、体全体をシートでくるむときも、足を折らないよう、慎重にあつかう必
 要があります。(捕獲時の写真は、こちら↓のニュースをごらんください。)
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=10792

  捕まえる飼育係も自分がケガをしてはいけませんが、ツルにケガをさせるわ
 けにはいきません。注意深く作業を進め、引っ越す予定のツルをすべて捕まえ、
 ソデグロヅル舎とウォークインバードケージのそれぞれに移しました。

  ツルたちを移したのは、ウォークインバードケージの「西ケージ」です。ド
 ーム型をしたこのケージは、中に人間が入って鳥たちの飛翔を観察することが
 できます。当初、慣れない場所で鳥たちに事故がないよう、翼の「仮切り」を
 していました。仮切りをすることで最初は飛べなくなるのですが、環境に慣れ
 たころに羽根が抜けかわり、飛べるようになるというわけです。

  ところが、今回の引っ越しの際、仮切りを忘れてしまいました。急に飛び上
 がって事故になることも考えられるので、数日間、心配しながら見守りました。
 しかし、先にいたコウノトリとの小競り合いもときどき見られはしたものの、
 ツルたちは何ごともなかったように餌を食べ、羽づくろいをし、とても落ちつ
 いたようすを見せてくれるようになったので、一安心したのでした。

                  〔多摩動物公園南園飼育展示係 土屋泉〕

 ◎関連動画──東京ズーネットBB「巨大鳥かごウォークインバードケージ」
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0808_03/index.html

■葛西臨海水族園■======================================================

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 ▼“ふしぎなポケット”? ヤツデヒトデ
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  子どものころ、「♪ポケットをたたくとビスケットはふたつ」──という童
 謡を聴いて、「いいなあ」とまじめに思った方、いますよね? 私はその一人
 です。実際やってみると、たしかに数は増えていきますが、最終的にポケット
 の中はビスケットの粉だらけ、という記憶があります。さすがにお菓子の世界
 で、そんなにうまい話はありません。

  ところが生物の世界では、「たたかなくても」自分の体をみずから分裂させ
 て数を増やし、さらに元の姿かたちにもどしてしまうものがけっこういるので
 す。そのひとつが、ヤツデヒトデです。日本では男鹿半島と房総半島より南の
 海に生息しています。磯遊びのとき、潮だまりで石をひっくりかえすと、ヤツ
 デヒトデが裏側にぴったりとくっついていることがあります。

  ヒトデと聞くと、「腕」が5本ある星型を思い浮かべるかもしれませんが、
 ヤツデヒトデは腕が8本(ときには9本、10本、あるいはそれ以上)あります。
 さらにその長さに注目してみると、体の半分に長めの腕が、もう半分に短めの
 腕が並んでいます。この短めの腕が、体を半分に分裂させた後、生えてきた腕
 なのです。

  ヤツデヒトデにもオスとメスがいて、小さな卵を産み、子どもを増やすこと
 もできます。「分裂するやり方」と「卵を産むやり方」──このふたつの増え
 方にはそれぞれにいい点があります。

  たとえば、分裂ならオスとメスが出会わなくても増えることができますし、
 小さな卵や子どもの段階がないので、他の生物に食べられる危険性も低くなり
 ます。一方、卵で増える場合は、オスとメス両方の遺伝子を合わせもった子ど
 もをつくることができますし、小さな卵や子どもの状態だと、海の流れに乗っ
 て遠くまで移動することができます。分裂と卵、このふたつのやり方をうまく
 使い分けることが、生き延びるためのくふうなのでしょう。

  ヤツデヒトデは「渚の生物」エリアの「しおだまり」で、1日3回のスポッ
 トガイドの時間に観察することができます。腕の数や長さのちがいを確かめた
 り、動き方をじっくり見てみたり、やさしく触って体のかたさなどの感触を楽
 しんだり、さまざまな観察のしかたをしてみてください。

  でも、いくら分裂して増えるからと言っても、ちぎったりはしないでくださ
 いね。分裂はヒトデにおまかせしましょう。

                   〔葛西臨海水族園飼育展示係 金原功〕

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 ▼展示していたミツクリザメ、残念ながら死亡しました
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  2009年1月17日、葛西臨海水族園にミツクリザメのオス1個体がやってきま
 した。ミツクリザメは、水深1,200メートルまでの深海に生息するサメ。1億
 5千万年前に生きていたサメ「スキャパノリンカス」(属名Scapanorhynchus、
 スカパノリンクスなどとも)の特徴を残しており、「生きた化石」ともいわれ
 ています。

  この個体は、1月17日の朝、葛西臨海水族園が調査をおこなっていた東京湾
 外湾で、刺し網によって捕獲されました。体長は約1メートル。捕獲された場
 所は、水深 230メートルでした。葛西臨海水族園の「深海の生物」コーナーで
 展示を開始しました。

 【ミツクリザメの動画】(2009年01月18日撮影、約30秒)

 ・Windows Media形式
   http://www.tokyo-zoo.net/news/temp/2009_01/goblin_shark.wmv

 ・QuickTime形式
   http://www.tokyo-zoo.net/news/temp/2009_01/goblin_shark.mov

   葛西臨海水族園では、1995年4月、2007年1月、2007年4月にミツクリザメ
 を飼育した経験がありますが、情報が少なく、いまだよくわかっていないミツ
 クリザメの生態を解明するため、研究を続けています。

  ミツクリザメは、餌を捕獲するとき、上下のあごが極端に前に飛び出る構造
 になっており、その際の容貌は非常に印象的です。2007年4月に飼育した際、
 14日間生存していましたが、これは葛西臨海水族園としての最長飼育記録です。

  しかし1月21日朝、残念ながらこの個体は死亡しました。足かけ5日間の飼
 育日数でした。(なお現在、葛西臨海水族園ではミツクリザメは展示しており
 ません。)

 ◎これまでのニュース

 2007年01月26日「生きた化石、ミツクリザメ展示」
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=6073

 2007年01月動画ニュース「ミツクリザメを捕獲!」
  http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0702_03/index.html

 2007年04月05日「ミツクリザメ再捕獲」
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=6671

■井の頭自然文化園■====================================================

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 ▼オオサンショウウオの全長と体重を測定
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  井の頭自然文化園の水生物館では、オスのオオサンショウウオ1匹を飼育し
 ています。2009年1月5日、この個体の全長と体重を測定したところ、全長が
 91センチ、体重は 6.4キログラムでした。2008年1月に測定したときよりも、
 全長が1センチ、体重は 0.2グラム増えていました。

  オオサンショウウオは何を食べて成長しているかというと、展示水槽の中に
 いっしょに入っているサワガニとドジョウです。オオサンショウウオは夜行性
 で、昼間はほとんど水槽内の木の陰に隠れていますが、昼間でも顔の前に来た
 サワガニやドジョウを食べることがあります。

  ふだんの動きはのんびりしていますが、餌を食べるときの動きはとてもすば
 やく、一瞬のうちに口を大きく開き、餌を丸のみにします。丸のみにするとき
 の音は大きく、水槽のガラスごしに観覧通路にまで聞こえるほどです。

  この個体は、1991年に広島市安佐動物公園で生まれ、2002年に水生物館にや
 って来ました。来館後は、他の動物園や水族館で飼育されているオオサンショ
 ウウオ調査とタイミングを合わせて、毎年1月に全長と体重を測定しています。

  2003年に測定を始めてから、毎年全長が1~7センチ、体重は0.2~1.1キロ
 グラムずつ増えています。これまでの測定結果は、オオサンショウウオの展示
 水槽に貼ってあるパネルに掲示しています

            〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 小木曽正造〕

 ◎東京ズーネットBB関連ビデオ

  ・動画「オオサンショウウオの捕食行動」(上野動物園)
    http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0806_02/index.html

  ・動画「オオサンショウウオ」(上野動物園)
    http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0501_01/index.html


■財団法人東京動物園協会■==============================================

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 ▼嘱託員を募集しています
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  財団法人東京動物園協会では現在、嘱託員を募集しています。

  募集する職務内容は、東京都立動物園・水族園(上野動物園、葛西臨海水族
 園)の案内接遇業務です。

  職務内容、勤務地、応募資格、募集人員、勤務条件、契約期間、選考方法、
 応募方法など、詳細については、「東京ズーネット」のトップページ最下部に
 あるリンク「東京動物園協会」をクリックし、「採用情報」から PDFファイル
 をダウンロードしてごらんください。

 ・PDFファイルへの直接リンクはこちら↓です。
   http://www.tokyo-zoo.net/outline/pdf_files/recruit_guide_staff_jan_2009.pdf

■訂正■================================================================

 ◎先週号(No.415)の葛西臨海水族園の記事「水族園、2/17と2/19は臨時休園」
  中、臨時休園日が「2月19日(水)」とあるのは「2月19日(木)」、また、
  「2月18日(木)」とあるのは「2月18日(水)」の誤りでした。つまり、
  日にちは正しいのですが、曜日がまちがっていました。訂正いたします。

   曜日を訂正した正しい記事はこちら↓です。失礼いたしました。

  --------------------------------------------------------------------
   施設メンテナンスのため、2009年2月17日(火)と2月19日(木)、葛西
  臨海水族園は臨時休園します。毎週水曜日は休園日ですので、2月18日(水)
  とあわせて3日連続で休園します。ご迷惑をおかけしますが、お出かけの際
  はご注意ください。

■ B O O K S ■=========================================================

 『ペットと社会』(ヒトと動物の関係学第3巻)

        森裕司・奥野卓司(編集責任)、岩波書店、2008年12月19日刊
                   本体2,900円、ISBN978-4-00-027109-7

  「ペット」を社会現象のひとつととらえ、過去(家畜化の歴史など)と現在
 (伴侶としてのペット、少子高齢化の中でのペットなど)、そして未来(アニ
 マルセラピーや子どもの心の育成など)という3章11節構成。「ヒトと動物の
 関係学」シリーズの第3巻。序論で8ページ(pp.5-12) にわたって「この巻
 のねらいと構成」が詳述されているので、ここを読めば本書をすばやく概観す
 ることができるでしょう。

  イヌがヒトとの「収束進化」を遂げたのだとする第1節。キリスト教化との
 観点から西欧の動物観を見る第2節。江戸の政権担当者の御触書を史料として
 生類をめぐる江戸町政の合意形成をあぶりだす第3節。1990年代に日本人のペ
 ット意識は変わったとする第4節では、ペットと飼い主の関わり方の変容にと
 もなうさまざまな問題を指摘しています。

  「自然」であるからこそ人間を魅了するペット、そして人間が元来もつ「自
 然を愛する心性」を指摘する第5節。第6節では、ペットを失い、「供養」に
 ついて考える著者は、「家族は本質的に宗教的な集いではないか」と書いてい
 ます。比較的新しい行動診療学を紹介する第7節によれば、動物医療にも精神
 科学や診療内科に相当する分野が定着しつつあるそうです。第8節では、ペッ
 トロスによる悲しみのプロセスを理解することの重要性が強調されています。

  第9節はアニマルセラピーという「動物の社会参加」、第10節は動物介在教
 育という子どもの心の育成、加えて教育機関の基盤整備の重要性、第11節は警
 察犬や麻薬探知犬など、驚くべき感覚をもつ動物が人間の社会の中で活躍する
 現状と可能性を描き出しています。

  今変わりつつある人間とペットの関係について、その光と陰を多面的な角度
 から掘り下げた論考集。

 ・岩波書店 http://www.iwanami.co.jp/ の書籍紹介ページ
   http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/1/0271090.html

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  N E W S  C L I P S
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●ワモンアザラシ、根室港で保護、釧路市動物園に
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4045478.html (動画あり、TBS)

●国内最高齢ペルシャヒョウ死亡──札幌市円山動物園
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/141711.html (北海道新聞)

●ベトナムでキリン初繁殖──サイゴン動物園
http://english.vietnamnet.vn/tech/2009/01/824703/

●ヒアリ(火蟻)に対する防御行動を身につけたカキネハリトカゲ
http://news.nationalgeographic.com/news/2009/01/090121-lizard-ants-missions.html
(National Geographics)

●アムールヒョウ2頭誕生──仏ジャルダン・デ・プラント動物園
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00147864.html
(動画あり、FNN)
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5jaWQN2vh0oSVGWmszBGJBVWWZazg
(AFP)

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 つ図鑑」のばあい、完全なかたちで表示するためには、図鑑のトップページ
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▽編集後記

 ・いつのまにか編集後記。スクロールしたり、アプリケーション切り替えをし
  たり、フリーズ画面に自分が固まったり。コンビニに買い物に行ったり、訳
  のわからない文章を書いたり。そんな余りの惨状に自分で茫然。恒例行事と
  してお目こぼしください平伏。

 ・今週の飼育係の言葉──「でも、そのすがたが、また愛らしいのです」。上
  野動物園の子ども動物園で桜と初春をぜひごらんください。

 ・金曜日は午後に晴れ間も見られた東京地方、しばらく晴時々曇りの日々のよ
  うです。気温は低めのようなのでお気をつけください。      (大平)

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財団法人 東京動物園協会
110-0007 台東区上野公園9-83 上野動物園内
電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
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URL  : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
携帯サイト: http://www.tokyo-zoo.net/ (PC版と同じです)
(c)2008 Tokyo Zoological Park Society
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